
図書館でDVDを無料で借りられるのか、7都道府県の公立図書館で調べました。調べた日は2026年10月12日です。開いたのは7館の利用案内です。東京都立図書館・函館市中央図書館・埼玉県立図書館・長岡市立図書館。それに京都府立図書館・成田市立図書館・岡山県立図書館です。
結論を先に書きます。借りられる館と、借りられない館が、はっきり分かれました。 今回の7館のうち、個人がDVDを借りられると書いていたのは3館です。借りられないと書いていたのは3館でした。残る1館は、館内で視ることはできますが貸出の記載がCDだけでした。
いちばん大事なのは、DVDの貸出条件が本とは別に決まっていることです。 長岡市立図書館はCD・DVDを6点まで、成田市立図書館はビデオとDVDを合わせて1点までと書いていました。同じ館の本の上限は、長岡が20点、成田が10点です。本の数だけ見て出かけると、思っていたほど借りられません。
もうひとつ、つまずきやすい点があります。DVDは延長できない館があります。 成田市立図書館の料金表では、図書は2週間+2週間ですが、ビデオとDVDは「延長不可」でした。
そして最後に、間違えると取り返しがつかない話があります。借りたDVDを集まりで上映することは、どの館の貸出ページにも「できる」と書かれていませんでした。 上映会をしたい場合は「団体貸出」という別の窓口が用意されています。この話は記事の後半で、公的機関の記述だけを使って整理しました。
なお、図書館が自分でホールを使って開く上映会は、この記事では扱いません。日程や申込の調べ方は図書館の映画上映会の記事にまとめています。
この記事の条件は、すべて2026年10月12日に各図書館の公式ページで調べた値です。出典URLと確認日は、表の行ごとに一緒に書いています。 貸出の条件は変わることがあります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
館によって違いました。今回の7館では、個人がDVDを借りられると書いていたのが3館、借りられないと書いていたのが3館でした。借りられる館では、料金はかかりません。
| 図書館 | DVDの個人貸出(公式の表記) | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 東京都立図書館(東京都) | 「※個人の方への資料の館外貸出は行っておりませんので、ご注意ください。」 | library.metro.tokyo.lg.jp2026-10-12 |
| 函館市中央図書館(北海道) | 「ビデオとDVDは館内視聴専用です。」 | hakodate-lib.jp2026-10-12 |
| 埼玉県立図書館(埼玉県) | 「CDやビデオは5点まで15日間借りられます。」。DVDという語での記載はありません | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
| 長岡市立図書館(新潟県) | 「CD、DVDなど視聴覚資料」を6点まで、2週間 | lib.city.nagaoka.niigata.jp2026-10-12 |
| 京都府立図書館(京都府) | 貸出できない資料に「映像(BD・DVD・VHS)資料」 | library.pref.kyoto.jp2026-10-12 |
| 成田市立図書館(千葉県) | 「ビデオ(テープ・DVD)」を1点、2週間 | library.city.narita.lg.jp2026-10-12 |
| 岡山県立図書館(岡山県) | 「AV(視聴覚)資料」を5点以内、15日間 | libnet.pref.okayama.jp2026-10-12 |
借りられない3館は、理由の書き方がそれぞれ違いました。
東京都立図書館は、DVDだけの話ではありません。本も含めて個人には貸していません。利用案内Q&Aにはこう書かれています。「都立図書館では、個人貸出を行っていませんが、都内区市町村立図書館に対して協力貸出を行っています。」。つまり都立の資料を借りたい方は、お住まいの区市町村立図書館から取り寄せてもらう形です。
函館市中央図書館は、CDは2点まで借りられますが、ビデオとDVDは館内で視るだけと決まっていました。同じ館の中でも、資料の種類で扱いが分かれています。
京都府立図書館は、貸出できない資料の一覧に映像資料を並べていました。「雑誌・新聞・電子(ROM)資料・映像(BD・DVD・VHS)資料・マイクロフィルム資料・音声(CD・カセット・DAISY)資料(視覚などの障害により活字での読書が困難な方を除く)など」という書き方です。音声資料については、視覚などの障害で活字での読書が難しい方を例外にしています。
埼玉県立図書館の表記は、今回いちばん判断が難しいものでした。公式ページの文は「CDやビデオは5点まで15日間借りられます。」です。「DVD」という語が出てきません。 郵送での貸出サービスの名前も「図書、雑誌及びCD郵送サービス」でした。DVDが貸出の対象に入るかどうかは、このページからは読み取れません。推測はしないので、ここは館に確かめていただく項目として記事の末尾に挙げました。
DVDを借りられる3館では、1点・5点・6点と分かれました。本の上限とは別の数字が決まっています。
| 図書館 | 本などの上限/映像を含むAV資料の上限 | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 長岡市立図書館 | 本・雑誌・紙芝居など20点/CD・DVDなど6点 | lib.city.nagaoka.niigata.jp2026-10-12 |
| 岡山県立図書館 | 図書・雑誌10冊以内/AV(視聴覚)資料5点以内 | libnet.pref.okayama.jp2026-10-12 |
| 成田市立図書館(市民・通勤通学) | 図書・雑誌・紙しばいなど10点/音楽CD・カセット2点、ビデオ(テープ・DVD)1点 | library.city.narita.lg.jp2026-10-12 |
| 函館市中央図書館 | 本・雑誌あわせて10冊/CD2点(ビデオ・DVDは貸出なし) | hakodate-lib.jp2026-10-12 |
| 埼玉県立図書館 | 本や雑誌10冊/CDやビデオ5点 | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
| 京都府立図書館 | 1人5冊(映像資料は貸出なし) | library.pref.kyoto.jp2026-10-12 |
ここで「別枠か、合算か」の違いが効いてきます。
長岡市立図書館は合算でした。公式ページの説明が具体的です。「本、雑誌、紙芝居など」は「20点まで(CD、DVDなどと合わせて20点まで)」。そして「CD、DVDなど視聴覚資料」は「6点まで(本、雑誌、紙芝居などと合わせて20点まで)」と書かれています。公式の例もそのまま載っていました。「例)CDを6点借りた場合は、本は14冊まで借りることができます。」。
一方、岡山県立図書館と成田市立図書館は別枠に見える書き方でした。岡山は図書・雑誌が10冊以内、AV資料が5点以内で、合算するという注記はありません。成田も図書・雑誌等10点、音楽2点、ビデオ1点が並んでいるだけです。
つまり同じ「何点まで」という言葉でも、館によって計算のしかたが違います。 DVDをたくさん借りたい方は、点数だけでなく「本と合わせて」という文言があるかを見てください。
成田市立図書館には、もう1つ大きな分かれ目があります。住んでいる場所で、借りられるものが変わります。
| 成田市立図書館の区分 | 借りられるもの | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 市民、成田市に通勤・通学の方 | 図書・雑誌・紙しばい等10点、音楽2点、ビデオ(テープ・DVD)1点 | library.city.narita.lg.jp2026-10-12 |
| 市外の方 | 図書・雑誌・紙しばい等3点。音楽とビデオ(テープ・DVD)は × | library.city.narita.lg.jp2026-10-12 |
市外の方の欄は、音楽もビデオも「×」でした。本は3点まで借りられます。映像資料だけが先に落ちる形です。 市外の方が登録できる範囲も限られていて、この点は後の節で整理します。
函館市中央図書館には、例外が1つありました。ハンディキャップ登録をした利用者は「貸出点数無制限・貸出期間28日間以内」です。印刷資料の利用に困難がある方のための扱いです。
2週間か15日間でした。ただし延長できるかどうかで、実際に手元に置ける日数が変わります。
| 図書館 | DVDなど映像資料の貸出期間と延長 | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 長岡市立図書館 | 2週間。延長は1度だけ最長2週間 | lib.city.nagaoka.niigata.jp2026-10-12 |
| 岡山県立図書館 | 15日間。延長は1回に限り2週間 | libnet.pref.okayama.jp2026-10-12 |
| 成田市立図書館 | 2週間。「2週間(延長不可)」と記載 | library.city.narita.lg.jp2026-10-12 |
| 函館市中央図書館(CD) | 14日間。返却日前の連絡でさらに14日間、1回だけ | hakodate-lib.jp2026-10-12 |
| 埼玉県立図書館(CDやビデオ) | 15日間。延長は予約がない場合等に1回だけ | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
成田市立図書館の表だけ、扱いがはっきり分かれていました。図書・雑誌・紙しばいは「2週間(予約がなければ2週間延長可)」です。これに対して、課題図書・大型絵本・大型紙しばい・音楽・ビデオ(テープ・DVD)は「2週間(延長不可)」でした。図書は最大4週間、DVDは2週間ちょうどという形になります。
長岡市立図書館の延長には、気づきにくい期限がありました。注意点にこう書かれています。「貸出日から4週間を経過している場合は延長できません。」。返却期限を過ぎてから延長する場合も、起点は貸出日のままです。公式ページには4月1日に借りた場合の例が3通り載っていました。
返しかたにも、映像資料だけの決まりがありました。
長岡市立図書館は「視聴覚資料は、破損を防ぐため開館時間内に直接返却窓口までお返しください。」と書いています。続けて「(中央図書館のみ、CD・DVD専用返却ポストがあります。)」とあります。つまり中央図書館以外では、閉館後にポストへ入れられません。
函館市中央図書館も同じ趣旨でした。「専用バッグで貸出されたAV資料のみブックポストへ返却できます。」という書き方です。
埼玉県立図書館は、郵送で返す場合の梱包に注意を書いていました。「CDやビデオテープ等の視聴覚資料は、ケースが割れることがありますのでクッション材を使って梱包してください。」。あわせて「視聴覚資料はケースの中身を確認してから、梱包してください。」とも書かれています。
岡山県立図書館は、借りる窓口と返す窓口がそもそも別でした。図書・雑誌は1階、AV資料は2階のAVカウンターです。本とDVDを一緒に借りるなら、館内で2か所を回ることになります。
図書館が自分で理由を書いている館がありました。映像資料は、図書館で貸し出すための許諾を得たものを買っているという説明です。
長岡市立図書館の「借りる・返す」のページに、弁償の説明としてこう書かれています。「図書館で利用されているビデオやDVDは、図書館での利用に際して、著作権許諾が得られたものの中から購入しております。市販のビデオやDVDでは、図書館での利用ができません。」。さらに「弁償いただく場合は図書館で利用するための著作権料が含まれており、市販価格よりも高額となっております。」と続きます。
これは「図書館のDVDは、店で売っているDVDと別の商品だ」という説明です。 同じ作品でも、図書館に置ける版は別に用意されています。だから在庫は少なく、壊したときの弁償額も市販価格より高くなります。
法律の側も見ておきます。ここは誤解が多いところなので、条文の文言だけを引きます。
| 条文 | 文言(抜粋) | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 著作権法第26条(頒布権) | 「著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。」 | japaneselawtranslation.go.jp2026-10-12 |
| 著作権法第26条の3(貸与権) | 「著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)を…その複製物…の貸与により公衆に提供する権利を専有する。」 | japaneselawtranslation.go.jp2026-10-12 |
| 著作権法第38条第4項 | 「公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物…の貸与により公衆に提供することができる。」 | japaneselawtranslation.go.jp2026-10-12 |
第38条第4項は、無料・非営利の貸出を認める規定です。ただし括弧の中に「映画の著作物を除く。」と書かれています。 映画は、この規定の対象から外れています。
映画について書かれているのは、同じ第38条の第5項でした。映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする施設のうち、政令で定めるものについての規定です。その施設が無料で貸し出す場合は、頒布権を持つ者に相当な額の補償金を支払わなければならないと定めています。どの施設があてはまるかは政令で決まるため、ここでは条文の文言だけを示します。
法律の形と、長岡市立図書館の説明は同じ方向を指しています。 本の無料貸出は条文で正面から認められています。映画はそうではないので、図書館は許諾を得た資料を買う形で貸しています。だから点数も期間も別に決まっているわけです。
条文について、1つお断りがあります。今回、e-Gov法令検索は当サイトの名前を入れたアクセスに対して、全パスでHTTP 403を返しました。そのため原文と施行日を直接は確認できていません。上の表は、法務省の日本法令外国語訳データベースシステムに併記されている日本語条文から引いています。同システムの利用案内には「法的効力を有するのは日本語の法令自体であり、翻訳はあくまでその理解を助けるための参考資料です。」と書かれています。同システムの表示は「最終更新:令和三年法律第五十二号」でした。最新の改正と施行日は確認できていません。
住んでいる場所と、本人確認の書類が要ります。どこの図書館でも作れるわけではありません。 ここは今回いちばん館ごとの差が大きい項目でした。
| 図書館 | カードを作れる方 | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 岡山県立図書館 | 岡山県内に在住・在勤・在学の方 | libnet.pref.okayama.jp2026-10-12 |
| 埼玉県立図書館 | 埼玉県内に在住・在勤・在学の方 | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
| 京都府立図書館 | 京都府内にお住まいの方、府内に通学・通勤している方、隣接6府県にお住まいの方 | library.pref.kyoto.jp2026-10-12 |
| 長岡市立図書館 | 長岡市内にお住まいの方、小千谷市・見附市・出雲崎町・三条市にお住まいの方、市外から市内に通勤・通学の方 | lib.city.nagaoka.niigata.jp2026-10-12 |
| 成田市立図書館 | 市内在住、成田市に通勤・通学、隣接7市町在住で高校生または16歳以上の方 | library.city.narita.lg.jp2026-10-12 |
京都府立図書館の範囲が、今回いちばん広かったです。府内にお住まいの方と、府内に通学・通勤している方。それに加えて「隣接府県(滋賀県・大阪府・兵庫県・奈良県・福井県・三重県)にお住まいの方」も作れます。府外に住んでいて通勤もしていない方が作れる、数少ない例でした。
長岡市立図書館も市の外に開いています。小千谷市・見附市・出雲崎町・三条市にお住まいの方が対象に入っています。
成田市立図書館は、条件が段になっていました。市外のうち富里市・印西市・栄町・酒々井町・芝山町・神崎町・多古町にお住まいの方は「高校生または16歳以上の方ができます」と書かれています。しかも必要なものが1つ増えます。現住所を確認できるものに加えて「お住まいの自治体の図書館等の本人名義の利用カード」が要ります。そして「上記以外の市外の方」は、登録できないと明記されていました。
成田市立図書館は「通勤」「通学」の中身も決めていました。通勤は「成田市内の勤務先に週3日以上の勤務形態の方を指します。」です。通学は「小学校、中学校、高等学校、又は専門学校等に通学している方を指します(幼稚園、保育園及び学習塾等は対象外とします)。」と書かれています。
本人確認の書類も見ておきます。ここで最近変わった点が1つありました。
長岡市立図書館のページに、こう書かれています。「R7/12/2より従来の健康保険証・共済組合員証は貸出カード新規作成・更新時の本人確認書類として利用できません。」。代わりに並んでいるのは7つです。マイナンバーカード、運転免許証または運転経歴証明書、健康保険資格確認書。それに住民票の写し、学生証、在留カード、特別永住者証明書です。公共料金の領収書や、3か月以内の消印がある郵便物も使えます。
京都府立図書館の一覧にも「健康保険資格確認書(現住所の記載があるもの)」が入っていました。岡山県立図書館の案内も「資格確認書」です。手元の保険証で足りるかどうかは、行く前に各館の一覧を見てください。
来館せずに作れる館もありました。
| 図書館 | 来館しないで作る方法 | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 京都府立図書館 | Web電子申請。カードは着払い郵便で届き、送料224円(令和7年11月1日現在)。郵送申込は返信用封筒に460円分の切手 | library.pref.kyoto.jp2026-10-12 |
| 埼玉県立図書館 | 郵送、または埼玉県電子申請・届出サービス。自宅へ送る場合は送料460円分の切手 | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
| 岡山県立図書館 | 郵送。返信用封筒に460円分の切手(2023年10月1日以降の返信は444円分) | libnet.pref.okayama.jp2026-10-12 |
| 長岡市立図書館 | オンライン利用登録。ただし市内在住の方のみ | lib.city.nagaoka.niigata.jp2026-10-12 |
カードの有効期限も館で違いました。長岡市立図書館は発行から3年です。埼玉県立図書館は3年を有効期間として、登録内容の確認を1年ごとに行います。岡山県立図書館は書き方が違って「有効期限は最後の貸出し利用から2年間です。」でした。借りない期間が続くと切れる形です。
函館市中央図書館は、利用案内に居住地の条件を書いていませんでした。必要なものとして「免許証・健康保険証・学生証など、ご本人と確認できるもの」が挙げられ、「登録や図書館の利用は無料です。」と書かれています。市外の方が作れるかどうかは、このページからは分かりません。
できる館と、できない館がありました。予約の枠も、本とは別に決まっていることが多いです。
| 図書館 | DVD・映像資料の予約 | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 岡山県立図書館 | 「CD・DVD・ビデオなどの視聴覚資料は5件まで」。図書・雑誌は10件 | libnet.pref.okayama.jp2026-10-12 |
| 成田市立図書館 | ビデオ(テープ・DVD)1件、音楽2件、図書・雑誌等10件。市外の方は「予約できません」 | library.city.narita.lg.jp2026-10-12 |
| 埼玉県立図書館 | 「図書・雑誌・視聴覚資料合わせて50件まで」 | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
| 長岡市立図書館 | 予約は最大30点。資料の種類による制限の記載はありません | lib.city.nagaoka.niigata.jp2026-10-12 |
| 函館市中央図書館 | 「貸出禁止の本やビデオ・DVDなどは予約できません。」 | hakodate-lib.jp2026-10-12 |
函館市中央図書館は、館内視聴専用のビデオとDVDを予約の対象から外していました。予約できるのは1人1回3件、合計10件までで、そのうちCDの予約は2件までです。
岡山県立図書館には、予約とよく似ていて中身が違うサービスがありました。リクエストです。これは図書館にない資料を買ったり借りたりして用意してもらう仕組みです。そのリクエストができない資料の1番目に「視聴覚資料(CD、DVD、ビデオ等)」が挙げられていました。所蔵しているDVDは予約できますが、持っていないDVDを入れてほしいという依頼はできません。
同じ館には、取り寄せの制限もありました。遠くにお住まいの方への案内にこうあります。「なお、DVDなどの動画資料や雑誌の最新号等、取り寄せができない資料もあります。」。予約した資料は県内の全市町村で受け取れて、受渡施設は90館以上あります。それでもDVDは、その流れに乗らないことがあります。
成田市立図書館の「市外の方は予約できません」も、効いてくる条件です。市外の方は本を3点まで借りられますが、その本を予約しておくことはできません。棚にあるものを、その場で借りる形になります。
観られます。今回の7館すべてに、館内でDVDやビデオを視る席がありました。借りられない館も、観る場所は用意しています。
| 図書館 | 館内視聴の席と回数 | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 岡山県立図書館 | 映像ブースは1人用8席・2人用2席・3人用1席。「DVD・ビデオは1日1回・1点」 | libnet.pref.okayama.jp2026-10-12 |
| 京都府立図書館 | 映像ブース6台・音声ブース1台。映像・音声は各1日1回 | library.pref.kyoto.jp2026-10-12 |
| 函館市中央図書館 | AVブースは1人用5席・2人用5席。1回1タイトル | hakodate-lib.jp2026-10-12 |
| 長岡市立図書館 | 中央図書館でCD・DVD、中之島地域図書館でCD。席数は各1席 | lib.city.nagaoka.niigata.jp2026-10-12 |
席数の差が、そのまま待ち時間の差になります。岡山県立図書館は映像ブースが合わせて11席です。長岡市立図書館は1席でした。公式ページにも「席数に限りがあるため混雑時はお待ちいただきます。」と書かれています。
館内で観るときも、利用者カードが要ります。 函館市中央図書館のよくある質問は「AVコーナーは誰でも利用できますか。」という問いに「利用者カードがあれば使えます。」と答えていました。岡山県立図書館も「(視聴には利用者カードが必要です。)」と明記しています。京都府立図書館は「図書館カードまたは利用申込書を提出」と書いていました。
持ち込みは、どの館もできませんでした。長岡市立図書館は「持ち込みによる視聴はできません。」です。岡山県立図書館のよくある質問は、もう少し具体的でした。「自分のDVDやビデオテープ、CDを視聴できますか?」への答えは「私物や、他の図書館で借りた資料など、県立図書館の資料以外は視聴できません。」でした。他の図書館で借りたDVDも対象外です。
岡山県立図書館の映像ブースには、車いすに座ったまま利用できるものもありました。希望する場合は職員に知らせる形です。
京都府立図書館は、音声資料だけ例外を設けていました。「資料の貸出は行っていませんが、音声資料は視覚障害者の方へのみ、貸出を行っています。」という書き方です。
館内視聴は「1日1回」で区切られている館が多い点に注意してください。 2本続けて観る予定で出かけると、予定が崩れます。
図書館のサイトを直接開くのが確実でした。 全国のDVD貸出条件を横断して比べられる公式のページは、今回見つかりませんでした。条件は各館が自分のサイトに別々に書いています。
手順を書きます。今回、7館を調べるのに使った順番そのままです。
手順1:自分の市区町村の図書館サイトを開きます。 日本図書館協会が、公共図書館のサイトのリンク集を公開しています。北海道から沖縄県までの47都道府県が見出しで並び、都道府県立図書館と市区町村立図書館が地域ごとに載っています。 https://www.jla.or.jp/links_to_prefectural_libraries_list_of_library-related_organizations/public_libralies/
手順2:「利用案内」の中の「借りる」を探します。 今回7館で開いたページの名前を並べます。呼び名が館ごとに違うので、そのまま参考になります。
| 図書館 | 貸出条件が載っていたページ名 | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 函館市中央図書館 | 「利用案内」の「本を借りる時は」「AV・インターネットコーナーのご案内」 | hakodate-lib.jp2026-10-12 |
| 埼玉県立図書館 | 「埼玉県立図書館の基本的な使い方」の「借りる」 | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
| 長岡市立図書館 | 「利用案内」の下の「借りる・返す」 | lib.city.nagaoka.niigata.jp2026-10-12 |
| 京都府立図書館 | 「利用案内」の下の「貸出」 | library.pref.kyoto.jp2026-10-12 |
| 成田市立図書館 | 「図書館利用案内」の下の「貸出・返却」 | library.city.narita.lg.jp2026-10-12 |
| 岡山県立図書館 | 「利用案内」の「資料を借りる」 | libnet.pref.okayama.jp2026-10-12 |
手順3:表の中から「本の行」ではなく「AVの行」を読みます。 ここが本題です。貸出の表はたいてい複数行あって、1行目は図書です。DVDの条件は下の行にあります。行の名前も館ごとに違いました。今回出てきたのは「CD、DVDなど視聴覚資料」「AV(視聴覚)資料」「ビデオ(テープ・DVD)」「音楽(CD・カセット)」です。「DVD」という語で探すと見つからない館があります。 「視聴覚」「AV」「映像」の3語も試してください。
手順4:「合わせて」という言葉があるかを見ます。 長岡市立図書館のように、本とAVを合算する館があります。この一語があるかどうかで、借りられる枚数が変わります。
手順5:延長の行を見ます。 成田市立図書館のように、映像資料だけ「延長不可」の館があります。延長の説明が本文で、資料ごとの可否が表にある場合もあります。両方を読んでください。
手順6:蔵書検索で、映画のDVDがあるかを確かめます。 条件が分かっても、観たい作品がなければ意味がありません。岡山県立図書館のよくある質問に、具体的な探し方が載っていました。「ホームページの蔵書検索システムで、映画のDVDだけを絞り込んで検索できますか?」という問いへの答えです。「厳密に映画だけを絞り込むことはできません。ただし、「資料種別」の「DVD」にチェックを入れ、分類記号に「778」(映画・演芸)と入力して検索する方法があります。」。表示件数が1000件を超えるので、キーワードや出版年での絞り込みも勧められていました。778は日本十進分類法で映画・演芸の番号です。 同じ検索のしかたが使える館は多いはずですが、画面の作りは館で違います。
手順7:分からなければ電話で聞きます。 今回も、ページからは読み取れない項目が残りました。埼玉県立図書館の「CDやビデオ」にDVDが入るかどうかは、その一例です。書いていないことを推測するより、聞いたほうが早いです。
今回調べた7館の貸出ページには、どれも「できる」と書かれていませんでした。 そして、上映会のための貸出は、個人向けの貸出とは別の窓口になっていました。
公的機関が公開している説明を並べます。
| 制度 | 公式の表記 | 出典・確認日 |
|---|---|---|
| 埼玉県立図書館 DVD(団体貸出用) | 「埼玉県内の機関・団体です。個人での上映を目的とした利用はできません。」 | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
| 同(上映の条件) | 「図書館の団体貸出用資料は無料で上映してください。入場料を徴収したり、販売目的のイベントのアトラクションとして使用するなど営利目的の上映会にはご使用いただけません。」 | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
| 同(数と期間) | 「1機関・団体につき5本までです。利用期間は、貸出日・返却日を含めて5日間です。」 | lib.pref.saitama.jp2026-10-12 |
| 東京都立多摩図書館 16ミリ映画フィルムの団体貸出 | 「都内に活動拠点のある登録団体に貸出しています。」。貸出期間は上映日を含め5日以内、1回10作品150分まで | library.metro.tokyo.lg.jp2026-10-12 |
| 同 団体貸出要綱 第16条6号 | 「上映の際、会場費等一切の対価を徴収してはならない。」 | library.metro.tokyo.lg.jp2026-10-12 |
ここから分かることは3つです。
1つめ。上映会に使う資料は、団体として借りる形になっています。埼玉県立図書館は、利用できるのを「埼玉県内の機関・団体」と限り、個人での上映を目的とした利用はできないと書いています。対象として挙げられているのは2つです。幼稚園・保育園・小中高等学校での上映会。それに子ども会・NPO・地域ボランティア団体が主催するイベントです。
2つめ。お金を取ってはいけません。埼玉県立図書館は「無料で上映してください」と書き、入場料の徴収と営利目的の上映会を断っています。東京都立図書館の要綱はもっと細かいです。第16条6号の続きにこうあります。「また、カンパ、団体会費・会場費などの実費徴収等、対価徴収とまぎらわしい行為は一切、上映会場、及び上映会場入口近辺で行ってはならない。」。会場費を参加者から集めることもできません。
3つめ。手続きが先に要ります。埼玉県立図書館は団体登録が必要で、「団体貸出用視聴覚資料館外利用申込書」を県立熊谷図書館へ提出します。予約は利用日の3か月前から受け付けられます。東京都立多摩図書館の団体登録には、要件が5つあります。都内に活動拠点があって構成員が3人以上であること。団体規約や定款等の提出と、映写機の検定証等の提示。そして16ミリ発声映写機操作講習の修了者等の氏名登録です。
東京都立図書館の要綱には、ほかにも守るべきことが書かれていました。申請時に記入した利用目的以外に使ってはいけません。上映会の運営は登録団体の構成員が行います。貸出を受けたフィルムの複製はできません。「上映場所は都内でなければならない。」とも定められています。一般登録団体の転貸も禁止です。返却の際には「映写報告書」で利用状況を報告します。
では、個人で借りたDVDはどうなのか。 ここは書かれていないことを埋めずに、分かったことだけ書きます。
今回開いた7館の貸出ページに、上映についての許可も禁止も書かれていませんでした。一方で、同じ自治体が運営する団体貸出の案内には、上映のための条件が細かく並んでいます。上映会のための貸出という枠が別に用意されていて、そちらには個人は入れない、という形になっています。
法律の条文も見ておきます。著作権法第38条第1項は、こう書かれています。「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。」。出典は法務省の日本法令外国語訳データベースシステムで、2026年10月12日に確認しました。
この条文があるからといって、借りたDVDで上映会を開いてよいという話にはなりません。 理由は前の節に書いたとおりです。図書館が貸しているDVDは、図書館で使うための許諾を得て買われたものです。その許諾の範囲は、貸している図書館が示す条件で決まります。上映に使えるかどうかを決めるのは、読者でも、この記事でもありません。
ですので、集まりで上映したい方への答えはこうなります。 個人で借りるのではなく、お住まいの都道府県立図書館か市区町村立図書館に「団体貸出用の視聴覚資料はありますか」と聞いてください。埼玉県立図書館と東京都立多摩図書館のように、一覧と申込書を公開している館があります。そこには上映できる作品と、守るべき条件が書かれています。
図書館が主催する上映会に参加するだけなら、手続きは要りません。多くの館が無料・申込不要で開いています。その探し方は図書館の映画上映会の記事に書きました。
運営者の判断(意見・著者:ゆうすけ) ここから下は事実ではありません。上の表の数値から、運営者が考えたことです。 今回いちばん意外だったのは、「図書館でDVDを借りる」という1つの行為に見えるものが、館ごとにまったく別の制度になっていたことです。長岡市立図書館の6点と、成田市立図書館の1点では、できることが違います。京都府立図書館では、そもそも借りられません。「図書館なら借りられる」という前提を持って出かけると、空振りすると考えます。 もう1つ気になったのは、点数の少なさです。本は10冊や20冊なのに、映像は1点から6点でした。長岡市立図書館が自分で書いていた「市販のビデオやDVDでは、図書館での利用ができません」という一文が、その理由を一番よく説明していると思います。許諾を得た資料しか置けないなら、所蔵も貸出枠も小さくなるはずです。 上映会については、調べる前に想像していたより、図書館側の案内が整っていました。埼玉県立図書館も東京都立図書館も、上映用の資料を別に持ち、条件を文章で公開しています。借りたDVDを使ってよいかを迷うより、最初から団体貸出の窓口を見るほうが早いと考えます。迷ったまま上映してしまうと、取り返しがつきません。
今回調べきれなかったのは7項目です。どれも推測では埋めていません。
| 要確認の項目 | 確認できなかった理由 | 次に確かめられる場所 |
|---|---|---|
| 埼玉県立図書館の個人貸出にDVDが含まれるか | 公式ページの表記は「CDやビデオは5点まで15日間借りられます。」で、DVDという語がありません。郵送貸出の名前も「図書、雑誌及びCD郵送サービス」でした。含まれるとも含まれないとも書かれていないため、判断していません | 県立熊谷図書館048-523-6291、または県立久喜図書館0480-21-2659でご確認ください |
| 函館市中央図書館で市外の方がカードを作れるか | 利用案内には本人確認書類と「登録や図書館の利用は無料です。」の記載がありますが、居住地の条件が書かれていませんでした | 同館の電話0138-35-5500でご確認ください |
| 著作権法の最新の条文と施行日 | e-Gov法令検索が、当サイト名を含むUAからのアクセスに全パスでHTTP 403を返しました。条番号や施行日を推測で書くことはできません。代わりに法務省の日本法令外国語訳DBの日本語条文を使い、同DBの表示が「最終更新:令和三年法律第五十二号」であることを本文に書いています | e-Gov法令検索で著作権法の該当条文と施行日をお読みください |
| 著作権法第38条第5項の「政令で定めるもの」にどの施設が入るか | 条文は政令に委ねており、政令そのものを今回は取得できませんでした。公立図書館が入るかどうかを推測で書くことはできません | 著作権法施行令の該当条文、または文化庁の著作権の窓口でご確認ください |
| 岡山県立図書館でDVDが貸出対象かの最終確認 | 貸出の表は「AV(視聴覚)資料」5点以内で、よくある質問には「CD・DVD・ビデオなどの視聴覚資料は5件まで」予約できると書かれています。一方で「貸出できない資料もあります。これらは館内でご利用ください。」という注記もあり、個々の資料の可否は蔵書検索で見る形です | 蔵書検索で資料ごとの表示をご覧になるか、2階AVカウンターでご確認ください |
| 九州の公立図書館でのDVD貸出条件 | 熊本市立図書館はHTTPSが接続を拒否し、HTTPでも応答がなく、robots.txtすら取得できませんでした。規約を確認できないサイトは情報源にしていません。佐賀県立図書館はサイト自体は読めましたが、利用案内に視聴覚資料の貸出点数・期間の記載を見つけられませんでした | お住まいの市区町村の図書館サイトを直接ご覧ください。手順は「自分の地域はどう調べますか?」の節に書いています |
| 団体貸出用DVDを一覧で公開している図書館の数 | 今回確認できたのは埼玉県立図書館と東京都立多摩図書館の2館だけです。他県の状況は調べていません | お住まいの都道府県立図書館のサイトで「団体貸出」「視聴覚」を検索してください |
この7項目は、確認できた時点でこの記事に書き足し、確認日を更新します。
今回使った情報源と、使わなかった情報源も書いておきます。
使ったのは、7つの公立図書館のサイトと日本図書館協会のリンク集です。それに法務省の日本法令外国語訳データベースシステムを加えました。図書館のサイトは、いずれもrobots.txtと著作権・リンクの条項を先に読みました。岡山県立図書館のサイトポリシーは、リンクを「原則としてフリーです。」とし、引用を著作権法の枠内で認めています。法務省のDBは公共データ利用規約(第1.0版)が適用され、引用・複製・転載を認めています。
使わなかったのは5つです。
e-Gov法令検索は、当サイトの名前と連絡先URLを入れたアクセスに全パスでHTTP 403を返しました。別のUAなら取得できますが、出典を名乗る運営規律を外れるため行っていません。
熊本市立図書館は、HTTPSが接続を拒否し、HTTPでも応答がありませんでした。規約を読めないサイトは使いません。
佐賀県立図書館は、規約の側では問題が見つかりませんでした。ただし視聴覚資料の貸出点数と期間の記載がなく、今回の比較には入れていません。
文化庁が公開している図書館等職員向けの著作権講習会の資料も外しました。一覧ページに載っているPDFのURLが、いずれもHTTP 404でした。資料そのものを読めないため引用していません。
郡山市立図書館・大阪府立図書館・宮城県図書館・福岡市総合図書館は、以前の調査で情報源から外しています。郡山市と大阪府立には、無断での使用や転載を禁じる条項がありました。宮城県図書館はrobots.txtが自動取得を全面的に断っています。福岡市総合図書館は、トップページ以外の個別ページへのリンクに問い合わせを求めていて、出典リンクを張れません。
最後にもう一度書きます。この記事の条件は、2026年10月12日時点のものです。貸出の点数と期間は、館の都合で変わります。 出かける前に、お住まいの図書館の利用案内をご自身で開いてください。
このページのイラストは当サイトが作成したものです。実在の劇場・作品・ポスターを写したものではありません。
著者:ゆうすけ /最終更新:2026年10月12日
本記事の数値は運営者自身の記録および当サイトが収集したデータにもとづきます。他サイトからの引用・転載は含みません。